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包丁は形だけでなく、材質もさまざま。
どう選べばいいのかと悩みがちですが、やはり一番気になるのは「切れ味」ではないでしょうか?
包丁の切れ味は、料理のできばえも左右します。
今回は、編集部スタッフが「ステンレス」「チタン」「セラミック」という材質の違う3種類の三徳包丁を集めて、その切れ味や使い勝手を実際に比べてみました。
切れ味のよい材質はどれ?今回比べる3つの包丁
家庭用の包丁の材質としてはステンレスが主流ですが、金属ではないセラミックや、最近流行の兆しのあるチタンも気になるところ。
見た目の違いとしては、白いセラミックの包丁がひときわ目立っています。
包丁の材質には他にも色々とありますが、特に扱いやすくてお手入れもしやすいということで、この3つを選んでみました。
それでは、今回比べる包丁についてくわしく見ていきましょう。
【1】さびにくく丈夫!家庭用の定番ステンレス包丁
(株)タフコのステンレス包丁
丈夫で折れにくく、刃こぼれもしにくいため切れ味が長持ちするステンレス。一般の家庭でもっともよく使われている材質です。
こちらの包丁は刃と柄の部分につぎ目がなく、お手入れしやすいことでもおすすめの包丁です。
ステンレスの中でも錆びにくく切れ味がよいことで人気のモリブデンバナジウム鋼が使われています。
【2】薄刃で軽いセラミック包丁
(株)フォーエバーのセラミック包丁
名前のとおり、刃の素材として金属ではなくセラミックが使われている包丁です。金属が含まれていないため、食材の変色やにおい移りがなく、風味を100%活かすことができます。
軽くてよく切れることでも人気。他の材質と比べてどのくらいの差があるのか気になるところです。
【3】軽くて錆びないチタンの包丁
(株)フォーエバーのチタン包丁
こちらも軽くて扱いやすい材質。セラミックと同様に金属アレルギーの心配がないのもうれしいポイントです。
また、チタンは空気とすぐに反応して強い皮膜を作るので錆びないという特徴があります。
【実験】包丁の切れ味の違いを比較してみよう
先ほどご紹介した3種類の包丁を使って、実際にトマトを切ってみます。
包丁の切れ味を確かめるときは、トマトを切ってみるとわかりやすいです。切れ味が悪いと、皮が破れたり切り口がつぶれてしまうことも……。
包丁の材質によって違いは出るのでしょうか?
それでは、実際に比べてみましょう。
結果は予想以上!?実際に比べてみると……?
まずはステンレス。スッと包丁が入ります。
他の材質と比べると切れ味ではやや劣るとも言われているステンレスですが、新品ということもあり難なく切ることができました。
この後、セラミック→チタンの順番でトマトを切っていきます。
実際に包丁を使ってみると、切れ味よりも気になることがありました。
切れ味よりも気になった意外な違い
ステンレス三徳包丁で切った後にセラミック包丁で切ってみると「わっ!軽くて切りやすい」。
思わず声をあげたスタッフにびっくりしました。
セラミックが軽いというのは知っていたのですが、そんなに!?
次にチタン包丁で切ってみると「これも軽いです。さっきのセラミックとどっちが軽いんでしょう?」。
……というわけで。
包丁の重さも測って比べてみることにしました。
【結果】トマトの断面で比べた切れ味の違い
それでは、比較してみた結果を見ていきましょう。
編集部スタッフは、切れ味にも重さにもそれぞれ材質によって差が出るのでは?と予想していたのですが、果たして……?
トマトの断面で比べてみると……
こちらが、3種類の包丁で切ったトマトの断面。
見た感じ、とくに大きな違いはありません。どの包丁も、問題なく切れました。
今回の実験に使った包丁はどれも初めて使う新品。刃の先がとても鋭くなっています。
これは、食材に当たる刃の面積が小さいということ。小さい面積に力が集中するので、よく切れるのです。
包丁の重さを比べてわかったこと
つづいて、包丁の重さを測ってみた結果はこちら。
- ステンレス包丁(127g)
- セラミック包丁(87g)
- チタン包丁(77g)
重さを測ってみて、もっとも軽かったのはチタン包丁。続いてセラミック包丁でした。
どちらもステンレス三徳包丁との重さの差は大きいですね!
チタンやセラミックなどの軽い包丁は、手に負担が少ないので、力に自信のない方にはオススメ。
でも、逆に「軽すぎて頼りないな」「使いにくいな」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実験でも実感しましたが、包丁を持ってまず感じるのは「重さ」。
重いか軽いかで、包丁の使いやすさの印象は大きく分かれそうです。
【調査】本当の意味で「切れ味がいい」包丁とは?
先ほど、トマトを切る実験ではあまり切れ味の差を感じなかった、3つの材質の包丁。
新品のうちはどの材質も切りやすいのだとすると、一般的によくいわれる「切れ味がいい包丁」とは、いったいどんな包丁のことを指すのでしょう?
包丁が使っているうちに切れなくなるのはなぜ?
人によって感じ方の違いはあると思いますが、包丁は使っているうちに刃先が摩耗して幅が広がっていくため、食材に当たる面積が大きくなります。
これが「包丁が切れなくなる」「切れ味が落ちた」という状態。
包丁は、切れ味がいい状態が長く続くことも大切です。
「切れ味が長続きする」のはどんな材質?
切れ味が落ちる原因が摩耗ということは、摩耗に強い材質……つまり硬い材質のほうが、切れ味が長続きするということが言えます。
今回の3種類の中ではセラミックがもっとも硬いです。
なんと半年は包丁を研がなくても大丈夫と言われているほど。
切れ味が長続きするかどうかで3種類の包丁を比較すると、セラミック包丁に軍配が上がります。
ただし、セラミック包丁の硬さは刃が割れやすい(刃こぼれしやすい)というデメリットでもあります。かぼちゃなどの硬い食材を切るのには向かないため、他の包丁に比べると幅広く万能に使うのは難しいでしょう。
【まとめ】理想の包丁の材質とは?
「錆びにくさ」「切れ味の持続」「刃こぼれのしにくさ」「重量」という4つの観点から、各材質の包丁を比べてみると、↑の表のような結果になりました。
まんべんなくバランスが取れているのは、やはりステンレスでしょうか?
時代とともに錆びにくさが求められ、包丁の材質の主流は鋼からステンレスへと移っていきました。
さらに最近では錆びない金属のチタンや、金属ではないセラミックの包丁なども誕生しましたが「刃こぼれのしにくさ」という点でステンレスには及ばないようです。
しかし、何を重視するかによって、人それぞれ一番使いやすいと思う包丁の材質は変わると思います。
今回の記事を参考に、あなたにぴったりの材質を選んでみてくださいね。