家事の効率化、家庭でのSDGsを専門にテレビ・ラジオ・講演・コラム連載などで活動。時短家事、便利グッズ、業務用品の情報にも精通し、大手メーカーの生活用品の企画にも携わる。ブログ・SNSでの生活情報発信は20年以上の実績。 著書「シンプルライフの節約リスト」「素材まるごと&使いきりアイディア術」ほか
水筒というのは昔から存在するものですが、エコや節約の観点から、ここ数年でマイボトルや水筒を持ち歩く習慣が更に定着してきました。
それに伴い、市場に出ている水筒の種類も増え、「水筒選びに失敗した」という声や「水筒を洗うのが面倒」、そして「そもそも水筒って節約になっているの?」という声も聞かれるようになりました。
今回は、水筒を持ち歩くことが本当に節約になっているのかについて考えたいと思います。水筒の選び方や洗い方など、水筒に関する悩みを解決するアイテムもご紹介します。
水筒を持ち歩くことで、いくら節約になっている?
水筒を持ち歩くことでいくら節約できているのか、気になるところですよね。
まずは水筒でできる節約について考えてみます。
会社に通勤していると考え、1カ月を20日で計算してみます。
水道代やガス代の目安は地域によって変わってきますが、東京都を一例として挙げてみましょう。
東京都の水道料金は1リットル約0.24円、都市ガスで1リットルのお湯を沸かすと1.5円から2円と言われていますので、水道代とガス代で2円と考えます(2021年4月時点)。
自分でお茶を作る場合
ティーバッグはお手頃のもので1リットル分となる1袋が10円のもので計算してみますと、ヤカンで1リットルのお茶を作るには12円、500mlで6円かかります。
水出しのティーバッグを使った場合はガス代が不要なので、1リットル10.24円、500mlなら約5円かかります。
ペットボトルのお茶を買う場合
自動販売機やコンビニで500mlペットボトルを買うと、約160円かかります。
結果をまとめてみます。
- ヤカンで作る場合…6円(500ml)×20日=120円
- 水出しで作る場合…5円(500ml)×20日=100円
- 購入する場合…160円(500ml)×20日=3,200円
1カ月単位で見ると、水筒を持っていくことで約3,000円の節約になっていることが分かります。
最近はスーパーや100円ショップで安いペットボトルも出ていますが、いずれにしてもこれだけの金額が節約できているのです。
1カ月で3,000円、1年なら36,000円、これが2人3人ならと考えると、かなりの金額ですね。
実は水筒は通勤など出かけるとき以外でも使えます。
筆者は家にいるときも毎朝2本の水筒に冷たいお茶とコーヒーを入れて利用しているので、水筒は手放せない存在です。
家でも水筒を使うことで冷蔵庫の開閉回数が減るので電気代の節約にもなります。パソコンで仕事をしているときに万が一倒しても、フタをしておけばこぼれることがないので、コップを使うより安心です。
面倒な「水筒洗い」の悩みを解決!
2019年、SNSで「水筒という家事」というハッシュタグが注目を集めたのをご存知でしょうか。「水筒という家事」の代表的なものが、毎日の「水筒洗い」です。
水筒を洗うというだけでもいろいろと手間がかかりますよね。
筆者は以前講演で、「水筒は毎日どこまで洗えばいいですか?」という質問を受けたことがあります。確かに教科書に載っているものではないので分からないですよね。
こちらでは水筒洗いで気を付けたいポイントや役立つアイテムをご紹介します。
水筒洗いで気を付けたいポイント
水筒は使ったらその日のうちに洗って、乾燥させることが大切です。
また、ブラシやスポンジも長時間ぬれていると雑菌が繁殖する原因にもなりかねません。
水筒洗いに使うブラシも、できる限り早く乾く素材のものを使うようにしましょう。
洗うときは、水筒の内側の「フチ裏」に注意しましょう。
ブラシだけで洗うと、水筒内側の上部のフチが洗えていないことがあります。
気づかずにいるとカビの温床になることも。ここは意識して洗うようにしましょう。
洗ったあとは、パッキンやフタも含め、しっかり乾燥させるようにします。
繰り返しになりますが、ぬれたままだと雑菌が増殖する原因になるからです。
毎日使っている水筒であれば、週に1回はキッチン用の漂白剤を使って水筒本体やフタを消毒するようにします。
フタの細かい部分はブラシだけでは洗いきれていないこともあるので、消毒すると安心です。
フタが洗いにくい!悩みを解決
パッキンにつまみがあるものは外しやすいですが、つまみがないタイプの場合は専用のアイテムを使うことをおすすめします。
マーナの「水筒すき間洗いブラシ」はパッキン外しと2種類のブラシがついているので、洗いにくい水筒のフタをラクに洗うことができます。
水筒が倒れてくる!悩みを解決
水筒を乾かすとき、適当なところに立てかけていると倒れてくる。これも小さなストレスです。
毎日、何本かの水筒を洗っているのであれば、グラス(ボトル)スタンドがおすすめです。
水筒が1本だけであればボトル掛けのようなものでもよいでしょう。
ブラシで洗えない!悩みを解決
飲み口が細くてブラシが入らない場合は、マーナの「ペットボトル洗いビーンズ」がおすすめです。
ボトルに少量の水またはお湯と本品を入れてフタをし、30秒ほど振ることによってブラシで洗ったのと同じように汚れを落とすことができます。
失敗しない水筒の選び方
水筒には様々なタイプが登場しているので、自分が水筒に何を求めているのかしっかり考えてから購入しないと、買ってから後悔することにもなりかねません。
水筒を選ぶときのポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
保温性・保冷性で選ぶ
まずは「保温性や保冷性を求めるかどうか」で選ぶ水筒のタイプが変わってきます。
最近は常温の飲み物を好む方もいますので、その場合は軽いプラスチック素材などの水筒がおすすめです。軽くて持ち歩きやすいですし、透明のボトルならフルーツウォーターを作ったときに目でも楽しむことができます。
保温や保冷を求める場合は、ステンレス製などで二重構造になっているタイプがおすすめです。
サイズ(容量)で選ぶ
次にサイズも重要です。サイズを間違えると、あとで「水筒が重たい」という不満も出てきてしまいます。
目安としては、半日程度のお出かけなら350ml、1日のお出かけなら500ml、1日運動をするなら1リットルLの水筒がおすすめです。
もちろん、これはご自身の普段の水分摂取量にあわせて考えてください。
フタの開け方で選ぶ
「水筒のフタの開け方」、これも意外とあとから影響してくる問題です。
車を運転しているときなど、片手でさっと開けたい人にはワンタッチ式の水筒がおすすめ。
両手を使ってもいいという方はスクリュー式でも良いでしょう。
フタの形は洗いやすさにも影響します。
スクリュー式のほうが構造が簡単なためパッキンなどの部品も少なく、簡単に洗うことができるのです。
洗う手間を重視する方にはスクリュー式の水筒がおすすめです。
飲み口の形で選ぶ
フタがワンタッチ式であれば飲み口は細く、飲み物が少量ずつ出てくるという特徴があります。それ以外の場合は飲み口の形状もしっかりと選んで買うようにしましょう。
ボトルタイプで飲み口が細いもの、コップがついているもの、さらに最近はワンタッチ式でパッキンがしっかり入ったタンブラータイプのものもあります。
フタがスクリュー式の水筒の場合は、中フタ付きの水筒がおすすめです。
スクリュー式で開口部が広いのに中フタがないと、飲もうと水筒を傾けたときに氷や飲み物が一気に流れ出てきてしまうからです。
「水筒という家事」をもっとラクに
たかが水筒、されど水筒です。
毎日使うとちゃんと節約できるものなので、本記事がお気に入りの水筒との出合いにお役に立てるとうれしいです。