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エアコンの温度設定

エアコンの節約Q&A!電気代をおさえる正しい使い方

家事のコツ

経済産業省の資源エネルギー庁によると、真夏の最も暑い時間帯の消費電力のうち、約6割をエアコンが占めているそうです。
健康のためにも暑さを我慢するのはよくありませんが、エアコンの電気代が気になるという方も少なくないでしょう。
今回は、電気代をおさえるためのエアコンの正しい使い方をQ&A形式でご紹介します。

家事の効率化、家庭でのSDGsを専門にテレビ・ラジオ・講演・コラム連載などで活動。時短家事、便利グッズ、業務用品の情報にも精通し、大手メーカーの生活用品の企画にも携わる。ブログ・SNSでの生活情報発信は20年以上の実績。 著書「シンプルライフの節約リスト」「素材まるごと&使いきりアイディア術」ほか

Q1.「つけっぱなし」or「こまめに消す」?

A.外気温が何度になるのかで判断しましょう

エアコンは起動時の消費電力が大きいため、つけっぱなしのほうが節約になるのでは?という話題があがります。
しかし、一概にはそうとも言えないようです。

2021年7月9日のパナソニックの発表によると、同じ外出時間でも外気温によって、つけっぱなしの方がよいかこまめに消す方がよいか変わってくるそうです。
30分の外出を1日2回という想定でおこなわれたシミュレーションの結果がこちら。

外気温が35度以上の“猛暑日”のような場合は、室温が上昇しやすいため、「つけっぱなし」運転がお得ですが、30度程度までであれば、室内温度がそこまで上がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることが分かりました。

つまり、30分程度の外出であれば、外気温が35度以上の日であれば「つけっぱなしで外出」、外気温が30度以下の日であれば「消して外出」がおすすめと言えます。

Q2.「冷房運転」より「除湿運転」?

A.室温を下げたいなら「冷房運転」を選びましょう

除湿運転の方が節約になるという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、これは古いタイプのエアコンの話です。

エアコンは冷房も除湿も空気中の水分を取って温度を下げているので、基本的には同じ動きをしています。

その中で、近年のエアコンの除湿機能は「再加熱式」として、除湿をしても室温を下げない方式が取られているものが多いため、除湿運転の方が節約になるとは言えないのです。

機能の使い分けは、除湿をしたいときは「除湿運転」を、室温を下げたいときは「冷房運転」をするのが理想的です。

Q3.サーキュレーターや扇風機を併用した方がいい?

A.部屋の特定の場所に人が集まっている場合は使った方がよいでしょう

エアコンの電気代を節約する小ワザとして、「サーキュレーターや扇風機を使って、エアコンから出た冷気を室内全体に行き渡らせる」という話がよく紹介されます。
しかし、これは一概に節約になるとは言えないのです。

エアコンがある部屋に複数人が広範囲にいる場合は、部屋全体を冷やした方がよいです。
しかし、部屋に1人しかいない、または2人いてもソファーのある場所など一箇所に固まっている場合は、人がいる場所に集中的に冷気がくるだけでよいのです。

最新型のエアコンは、人がいる場所を感知して、その方向に冷気を吹き出してくれるものもあります。
そうでないエアコンを利用していて、部屋の特定の場所に人が集まっている場合は、エアコンから出た冷気が人がいる場所に直接向くように、サーキュレーターを利用して風の向きを変える方が節約になります。

Q4.冷房の設定温度は何度が適切?

A.実際に人がいる場所の温度と湿度を見て調整しましょう

エアコンの電気代の節約というと、必ず設定温度の話になります。
しかし、エアコンの設定温度(リモコンに表示される温度)は、必ずしもそのときの室温とイコールにはなりません。
部屋の広さや室内にいる人数によっても、実際に人がいる場所の温度は変わってきてしまいます。
そのため、人がいる場所に温湿度計を置き、実際に人がいる場所の温度と湿度を見ながらリモコンで調整することをおすすめします。

湿度が高いと体が不快に感じるので、温度だけでなく湿度の調整も大切なのです。
湿度が60%を超えるようであれば、除湿機能を使って湿度を下げるようにしましょう。

冷房を使ってないときにも、電気代を抑えるコツが

エアコンの設定温度を気にする前に、「室温を上げないようにすること」も大事です。
直射日光が当たっている部屋は、それだけでも室温が高くなってしまいます。

オーニングや簾(すだれ)を設定して窓の外で日差しをさえぎるか、遮光カーテンをしめ切って室内に直射日光が入らないようにしましょう。

直射日光があたっているモノに熱がたまらないよう、冷房を使ってない留守中でも、なるべく室内温度があがらないようにするのがよいでしょう。

正しく使ってかしこく節約

エアコンの使い方については様々な情報が飛び交っていますが、「本当に節約になるのか」をしっかり吟味する必要があります。
今回ご紹介した正しい使い方をしっかり把握して、暑い夏を乗り切りましょう。


参考資料

Panasonic「つけっぱなし運転」はおトク?夏の「エアコン」節電ポイント 検索日:2022/7/5