家事の効率化、家庭でのSDGsを専門にテレビ・ラジオ・講演・コラム連載などで活動。時短家事、便利グッズ、業務用品の情報にも精通し、大手メーカーの生活用品の企画にも携わる。ブログ・SNSでの生活情報発信は20年以上の実績。 著書「シンプルライフの節約リスト」「素材まるごと&使いきりアイディア術」ほか
ニュースなどで、年々猛暑や酷暑という単語が聞こえてくる回数が多くなってきました。
夏場は一日中エアコンをつけているというご家庭も多いのではないでしょうか。
今回は家事アドバイザー・矢野きくのさんが提唱する、エアコンの電気代を節約しながら室内で涼しく過ごす方法をご紹介します。
エアコンの設定温度をあげる前に…。やっておくべき暑さ対策
エアコンの設定温度を下げる前に、忘れてはならないのが室温を上げないようにすることです。そもそもの室温が低ければ、エアコンを使わなくてもよくなったり、設定温度を高めにすることができます。
窓の外で日差しをさえぎろう
直射日光が当たっている部屋は、それだけでも室温が高くなってしまいます。
まずは、窓の外で日差しをさえぎることが重要です。
わたしの家で南西に位置する部屋は、いつも午後になると蒸し風呂のような暑さでした。
そこで日差しをさえぎるオーニングを設置したところ、以下のような結果が出ました。
- オーニング設置前…室温31度
- オーニング設置30分後…室温28度
※外気温32度の日に測定
やはり直射日光が入ってくると、室温がかなり上がるようです。
昔ながらの簾(すだれ)や、葦簀(よしず)でも良いですが、使わないときの収納場所を考えるとオーニングが便利です。
カーテンを閉めよう
冷房を使っているときは、室内のカーテンを閉めるのがよいでしょう。
カーテンには外からの直射日光をさえぎって室内の冷気を温めない役割があります。
その際に注意したいのは、カーテンの長さ。
できる限り床に近い長さにしておくと、冷気が逃げづらくなります。
また、遮光カーテンにするとより効果的でしょう。
火を使う回数を減らそう
キッチンで火を使う料理をすると、おのずと室温が上がってしまいます。
真夏に食べたいそうめんなどは、ゆでなくても食べられる麺を使ったり、下ゆでする必要がある野菜は電子レンジで加熱したりすると、火を使う頻度を減らすことができます。
また、煮込み料理をする際は、鍋にフタをするだけでも室温が上がりにくくなりますよ。
室内にこもった熱を逃がして暑さ対策
しばらくエアコンを付けずにいると、室内にむわっとした熱気がこもってしまいます。
熱気がこもった部屋の室温をいち早く下げるにはどうすればいいでしょうか。
窓を開けて換気をする
まずは部屋の窓を開けて、暑くなった空気を外に逃がしましょう。窓が複数ある場合は、対角線上の窓を開けると換気の効率がよくなります。
サーキュレーターや扇風機があれば、窓を開けると同時に稼働し、できるだけ早く室内の空気が出ていくようにしましょう。
室外機の周りを冷やす
エアコンを付けるとき、室外機の周りの温度が高いと冷房効率が悪くなるばかりか、消費電力も多くなります。
室外機に直射日光が当たっている場合は、室外機カバーなどを使って屋根を作るだけでも周りの温度が下がります。また、室外機周辺の壁や地面に打ち水をして、気化熱を利用して冷やすという手もあります。
室外機カバーの選び方や取り付け方については、別の記事でくわしくご紹介しています。
自分自身の体を冷やして暑さ対策
室内だけでなく、自分自身が涼しくなる工夫をする、という工夫も必要です。
風通しのよい服を着よう
服装は、風通しのよい素材のものを着ることが大切。
室内でジーンズのようにピッタリした服を着ていては、体の熱も逃げづらくなってしまいます。
体を冷やす飲み物や食べ物をとろう
なすやきゅうりなどの夏野菜や麦茶など、体を冷やす効果があるものをとることも大切です。
とくに麦茶は利尿作用があり、尿と一緒に熱を排出する効果が期待できると言われています。
わたしの家では、年中冷蔵庫にお茶類を作って冷やしてありますが、夏はとくに湯沸かしはせず水出しの麦茶を冷蔵庫に常備しています。
保冷剤を活用しよう
体温を下げるのに保冷剤を使うのもおすすめです。
保冷剤をタオルなどで包み、「首の横の頸動脈(けいどうみゃく)」か、「脇の下」「内ももの付け根あたり」を冷やします。
この3点は太い血管が通っているため、保冷剤によって血液が冷えやすく、冷えた血液が全身にいきわたることで体温を下げる効果があると言われています。
また、夏は落雷などで突然停電になる可能性もある季節です。
保冷剤を冷凍室に常備しておくと、停電が起きても冷凍室の保冷効果が持続されるという点でもおすすめです。
インテリアを夏仕様にして暑さ対策
部屋の模様替えついでに、夏向けのインテリアにチェンジするだけでも暑さ対策ができます。
遮熱カーテン
先ほどご紹介した通り、カーテンは窓から入り込む熱をさえぎってくれるのでかなり効果的。夏には遮熱性の高いカーテンがおすすめです。
一般に遮熱カーテンは分厚いので遮光性も高く、部屋が暗くなりがちです。遮熱カーテンを選ぶ際は、明るい色を選んだり太陽光を取り入れやすいレースカーテンと一緒に使ったりするのがよいでしょう。
い草のラグ
見た目も涼し気ない草のラグ。い草には調湿機能があり、湿気を吸ったり吐いたりして部屋の湿度を調節してくれます。
最近ではいかにも畳っぽい見た目ではなく、デニムっぽい柄や幾何学模様のものもあるので、フローリングに敷く場合はデザインにもこだわってみてください。
接触冷感ラグ
接触冷感といえばタオルを思い浮かべるかもしれませんが、接触冷感素材のラグも販売されています。ラグなどの直接肌に触れる機会が多いものに接触冷感素材を取り入れれば、継続的に涼しさを感じることができますよ。
接触冷感敷きパッド
寝具にも接触冷感素材のものが多数登場していますが、一番のおすすめは敷きパッド。
肌に触れる面積も広いので、より効果を感じられます。ナイロンやポリエステルのつるつるした素材が苦手な方は、綿素材の敷きパッドをおすすめします。
少しの工夫で暑さが和らぐ
今回ご紹介したように、室内で涼しく過ごす方法はいろいろあります。
エアコンだけに頼らず、必要に応じて今回ご紹介した暑さ対策方法をぜひお試しください。