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「どう違うの?」と聞かれると、説明に困る「シェルフ」と「ラック」の違い。
この2つはどちらも日本語で言う「棚」の意味合いを持っているため、混同されがちです。
そこで、こちらの記事ではシェルフとラックの違いについて、語源となった英語の意味から解説していきます。
理想のシェルフを見つけるための、種類や選び方もご紹介しますよ。
英語の意味を知ろう!シェルフとラックの違い
最近は何でも横文字で表現する傾向があるのでややこしいですよね。
シェルフとラックのように、何がどう違うのか分かりにくいものの場合、英語の意味を確認することで定義の違いが見えてくることがあります。
シェルフ(shelf)の定義
まず一般的に、棚は英語に訳すと「shelf」です。定義的には、板を水平にかけ渡したものを指します。厳密には、棚そのもの以外に「(一枚の)棚」という意味もあります。
例えば、何段か棚板のある棚で、その上の方を指す場合は「upper shelves」という表現になります(shelvesは「棚」を表す shelf の複数形)。
一昔前まで、家具業界ではシェルフという呼び方はしていませんでしたが、今では「棚」をおしゃれに表現する言い方として用いられます。
なお、「shelf」には扉や引き出しがついているタイプも含まれます。
ラック(rack)の定義
一方で「rack」は、物を置いたり掛けたりする棚や台の総称。そのため、「shelf」に比べてもっと幅広い意味で用いられます。
定義としては、置き棚、掛け、架(物をのせたり掛けたりする台、または竿)、列車の網棚など。
元々は「掛け」や「架」など、物をのせたり掛けたりする棒状のものだけを意味する言葉でした。その棒に棚(水平の板)を引っかけて用いることもあるので、棒状の部品と水平板で構成される収納用品についても「shelf」と同じような意味で使われるようになったようです。
ただし、戸棚(前面に扉のついた棚)や引出しのあるもの、箱形のものなど全面が閉ざされたものはラックとは呼びません。
シェルフは「キャビネット」とは違う?
扉や引き出しの付いた棚というと、「キャビネット」と呼ばれる家具を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、キャビネットとシェルフには明確な違いがあります。
キャビネット (cabinet)は、書類や貴重品等を整理するための戸棚や、キッチンの戸棚や洗面戸棚などの収納戸棚に用いる総称です。
単純に物を置いたり並べたりする棚、という意味で用いられる「シェルフ」と違い、物を大切にしまっておいたり、整理して収納しておくものという意味を持ちます。
代表的なシェルフの種類
「シェルフ」はおおまかに言えば、「板が水平に並んだ棚」であるということが分かりましたね。ここからは一般に「シェルフ」と呼ばれる家具の中で、代表的な種類をいくつか見ていきましょう。
【1】本棚(ブックシェルフ)
まずは、本棚です。英語で「Bookshelf」と言われるように、本棚は代表的なシェルフの一種です。
本棚は言うまでもなく本を収納するための棚であり、本の高さに合わせて棚板の高さを調整できるものなど、実用性を重視したものが多いです。
中には1cmピッチで棚板を調整できるものもあります。
【2】オープンラック(オープンシェルフ)
どちらかと言うと「オープンラック」と呼ばれ親しまれているオープンシェルフ。本棚としても使われることもあり、少し違いが分かりにくいですね。
オープンシェルフは一般的に背板(背面の板)がないものを指すことが多く、場合によっては側板もないものもあります。
基本的にモノを見せるための収納として用いられ、すっきり見えるように棚板が等間隔になるよう設計されていることが多いです。また、本棚とは違い、棚板の高さは固定あるいは稼動の自由度が低めに設計されています。
その代わり収納力が高いものが多いのが特徴。棚板がステンレスやスチールでできているものは強度も高く、耐荷重も重めに設定されているため、重いものを収納することもできます。
【3】ウォールラック(ウォールシェルフ)
構造的に棒状の部品と水平板で構成されているわけではありませんが、壁に取り付ける棚板をウォールシェルフと呼ぶことがあります。
ウォールシェルフはオープンラックよりもモノを飾る志向が強いアイテム。大きなシェルフを置くことができない場所にも壁さえあれば設置でき、何もない壁にさりげない収納スペースを生み出すことで空間にインパクトを与えることができます。
【4】突っ張りラック(突っ張りシェルフ)
ウォールシェルフと同じく、スペースが限られた場所に設置する棚としてよく取り入れられるのがこちらの突っ張りシェルフ。
天井と床に突っ張って設置するため、壁を傷つけずに設置することができます。
突っ張り家具の中には「ラダーラック」と呼ばれるものもあります。ラダーは「はしご」を意味し、その名の通りフックやハンガーなどを使って、モノを吊るしたり掛けたりします。
棚板を取り付けられるものもありますが、モノを吊るしたり引っ掛けたりする収納スタイルなので、厳密にはシェルフの仲間ではありません。
シェルフの選び方
ここからはシェルフ選びを失敗しないための、選び方のポイントをご紹介していきます。
サイズをチェック
どの家具にも言えることですが、まず第一に設置する場所の広さを考え、そこに収まるサイズのシェルフを選びましょう。
サイズを間違えて置けなかったとしても、買い直しがしにくいのが家具。買う前のサイズのチェックは必須です。
シェルフそのもののサイズだけでなく、棚板のサイズや耐荷重もしっかり確認しましょう。
収納するモノのサイズもチェック
何を収納したいかによってシェルフを選ぶことも大切です。
本のように高さが違うものを入れる場合は、棚板の高さが変えられると便利。ブックシェルフは棚板の高さ調節ができるものがほとんどなので、本類を入れるなら専用のブックシェルフがおすすめです。
設置方法をチェック
ウォールシェルフや突っ張りシェルフなど、取り付け方が特殊なものを選ぶ際は、「設置方法」と「そもそも設置が可能かどうか」を確認しておきましょう。
ウォールシェルフの場合は、壁の種類によってネジを使ったりピンを使ったりと、設置方法が異なる場合があります。コンクリート壁や土壁などの特殊な壁だと、そもそも設置できないケースも。
一見どこにでも設置できそうな突っ張りシェルフも、天井が水平でないなど、条件が悪いと設置できない場合が。必ず買う前に確認しておきましょう。
デザインをチェック
木製のシェルフの場合は、木材の種類やカラーを他の家具に合わせると統一感が出ます。
人気のスチール製シェルフも、ツヤ感があるかないかで印象が変わるので、どんなデザインかはかなり重要なポイントです。
オープンシェルフの中には、「ディスプレイシェルフ」や「デザインシェルフ」とも呼ばれる、飾ることを目的としたデザイン性の高いものも!
「魅せる収納」にしたいなら、シェルフもデザイン性の高いものを選ぶといいですよ。
理想に合ったシェルフを選ぼう
なんとなくでも名称の違いを知っていると、家具を探すときより自分のイメージに近いものを探せるようになります。
いろんな形状、素材、呼び方のシェルフがありますので、自分の理想にピッタリのものを見つけてくださいね。